前略、ドデカ愛の真ん中より

※個人の感想です

無念

 行けなかった。戦ツアーのセミファイナル、名古屋に。

 

 初めてハーフのライブに行った会場だった。(過去記事『宇宙遊泳16小節』参照) 大好きな友達と初めて連番で入る予定だった。整番もそれなりに良かった。ずっと行ってみたかった居酒屋で2人で飲んで、駅近のホテルに泊まって語り明かすつもりだった。札幌で代行したグッズを渡したかった。遠征してくる友達を連れていきたいカフェもあった。集合時間前に美容院を予約していた。ずっと保管してた貰い物のお酒を持って行って、ホテルで語り明かしながら飲むつもりだった。ブログの記事のタイトルも決めていた。でも、叶わなかった。どうしてもライブより優先しなきゃいけないことができてしまった。連番予定だった友達に電話でめちゃめちゃ謝って、その後に大の字になって泣いた。行きたかった。私は名古屋市民ではないけれど、名古屋は、栄は、青春がたくさん詰まった高校時代の象徴みたいな場所だ。

 

 世の中は残酷だ。今はまだ学生という身分に甘えていられるけれど、社会に出たらこんなことはいくらでもあるんだろう。でも私はまだ学生なんだ。社会勉強にしては酷すぎやしないかい。よりによってなんで、ここ数ヶ月で1番楽しみにしていた日にこんなことになってしまうんだろう。ずっとそればかり考えて、何も手につかなかった。ご飯を食べるのは好きな方だと思っていたのに、行けないことが決まってからあまりご飯が喉を通らなくなった。日に日に顔がやつれていくのがよく分かるくらいには精神をやられていた。コンプレックスの頬骨が徐々に浮き出てくるのが嫌で鏡を見るのをやめた。最後に見た顔にはニキビが2個増えていた。誰かの呟きが更新されるのが楽しみで仕方なかったはずのTwitterアカウントをログアウトした。

 ああ、私はこんなにもHalf time Oldが好きなんだな、と実感する度につらくなって、毎日のように聴いていた音楽から段々遠ざかっていった。静かになった部屋で膝を抱えてまた泣いた。ハンガーに架かったリクルートスーツが嫌がらせみたいに揺れていた。ねぇ神様、素晴らしい日々って本当にあるのかな。私はこれ以上幸せになっちゃ駄目なのかな。ちょっとは面白くしようと思って書いているこのブログは結局こうなっちゃうし、花粉症じゃなかったはずなのに何故か昨日からくしゃみと鼻水が止まらないし、相変わらず食欲は無いし、ファイナルの東京のことなんて1ミリも考えられないし。

 戦わなきゃいけないことは日に日に増えるし、自分を肯定しすぎたらいつか生きていけなくなるし、幸せになるって、普通になるって、難しいね。私は衣食住とライブがあればそれで幸せなのにな。それさえも贅沢なのかな。もっと1回のライブを噛み締めて、味がしなくなるまで記憶を反芻して、忘れかけてきたくらいの頃にまたライブに行くくらいが良いのかな。そんなの無理だよ。今だって名古屋に行きたくて泣いてるんだよ、Half time Oldの音楽が恋しくて泣いてるんだよ。でも臆病だから音楽を失った傷を音楽で埋められなくて、また静かな部屋で泣くんだよ。風と呼吸とフリック入力の音とくしゃみだけがこの部屋の空気を揺らしてるなんてなんか不思議だね。ずっと暇さえあればイヤホンかスピーカー越しに光を浴びてたのにな。

 締め方分からんので終わります  ファイナルは行けますように