前略、ドデカ愛の真ん中より

※個人の感想です

軌跡に灯した光をなぞる

 Digital Mini Album 『ALPHA』リリースおめでとうございます!!!社会人になって初めてのリリース、しっかりと噛み締めました!!!!去年と変わらず、人生は最悪!人生は最高!を繰り返しながらなんだかんだでもう今年も終わろうとしていますが、今年もHalf time Oldの新曲達を聴けることに感謝だなあ~。以下は曲の感想です。

 

1.モラトリアムカレソウ

 この曲を聴いて、『人生』について嫌という程考えざるを得なかった。考えたことについては前回のブログに書いたので割愛。

 冒頭の部分がゆったりとしたテンポ感であることによって、「嬉々として持ち帰った答案」「違和感を感じたのはいつからだろう」のまだ地に足が着いていない感じがよく出ているな、と思う。「君を殺した」で音が一気に変化して、これまでの全てが鋭利なナイフになったかのような疎外感。かと思えば、また再び歌声が寄り添ってくれる。人生について考えるということは、これまでの自分を責めることでもあり、受け入れることでもあり、褒めることでもある。絶え間なく移り変わるメロディが、それを教えてくれるような気がする。

 「モラトリアム」は、ぼんやりとぬるま湯に浸かっていることでもあるし、無風の崖っぷちに座り込んでいることでもある。大人になるということの意義は人それぞれだけれど、あの頃の私がこの曲に出会っていたら?と、「if」を思い浮かべざるを得ない曲だ。良くも悪くも、私はもう大人になってしまった。

 

2.透明(にされた)人間 

 タイトルの時点で薄々ヤバいことは察していたけれど本当に予想以上でした。こんな天才的なシンクロギターイントロ、どうやって曲始めるんですか???

 かく言う私も小学生の頃いじめられていた側の人間なんですが、ゾンビのように湧いてくるいじめっ子を定期的に先生に密告し、帰りの会で説教されているいじめっ子を見て心の中でほくそ笑むタイプのいじめられっ子でした。いじめっ子の親に密告したこともあります。「仕返し」の旨味を知ると中々に爽快だったし、わたしもいじめっ子も含めて人間って愚かだな~と思っていました。今考えると、小学生ってやっぱりまだ社会性が出来上がってないからやっぱり多少は軋轢が生じるんだろうな~とは思います。理由があろうと駄目なものは駄目だけどね。何の話???

 曲の中だと「うるせえ!!!!!!!」ぐらいの勢いなのに、歌詞だと「うるせえ」の平仮名4文字なところのギャップが良いな、内に秘めた激情みたいな感じで。中々表立って言いづらかったことをガツンと叫んでくれる、あの日の爽快さを思い出す曲でした。多分聴き方違うよなこの感想……。

 

3.革命の音

 「転がる岩に掴まっている」という歌詞が初っ端から興味深かった。「転石苔生さず」という諺があるが、これには「あちこちを転々としていると成功に繋がらない」「常に活動していれば錆びつくことは無い」みたいな感じで真反対の意味が2つある。どちらの意味か決まってるとかじゃなくて、きっと掴まっている人次第なんだろうな。

 モラトリアムカレソウを聞いた時、「じゃあ夢も目標も特に無い大人はどうすればいいんだろう?」と思ったけれど、その時の気持ちを全部この曲がすくい上げてくれた。「『なんかいい』くらいの感覚を信じ抜くことだよ」で、人生それでいいのか、ありがとう……。の感情になった後で「未来さえ現在から出来ている」をぶち込まれるの本当にヤバくて好きです。

 「人生は長くはないんだし」「僕らはいずれ死ぬものだよ」の後で突然タンチョウと海亀が出てくるの、「鶴は千年亀は万年」っていうこと?自分が死のうとも世界は変わらずにずっと回っていくから、人生で起きるちょっとしたエラーなんて些細どころじゃない塵みたいなことだと思って生きていきたいね。世間一般の「幸せ」の概念なんて別にいいから自分本位でいい感じに幸せになりたいです。今も幸せだけどね。

 

4.stand by me

 海の中にいるみたいなイントロでとても良い。音の使い方が本当に全部大好き……。サビのギターに耳を澄ますと“天才”の概念を浴びれるのでおすすめです。

 彼らのラブソングは結構レアなのでどうしても今までの曲と合わせて考えてしまうなあ。スターチスは「未来」の話だったけど、この曲は「今」を慎重に、じっくりと、味わい尽くすように生きているふたりの歌だなあと思う。かつては厚いアルバムとどデカいクローゼットを用意してまで物を整理していたのに、もうそれすらも捨てていいくらいの愛があるんだなあ。地球が無くなった後のことを考えていたかと思えば1Kの中で慎重に紡がれる愛の話をしたりと、大規模だったり臆病だったりする心情が本当に愛おしいなあ。

 「stand by me」という、まっすぐなように見えて英訳で遠回りしてる言葉が、さらに「例えばだけど」を抱えているところがハーフらしいな、と思う。相手からどんな感情が向けられてるのか自信が持てない、ということは裏返すと自分に自信がないことの現れなのかなあ、と思う。相手を信頼していて大好きだからこそ、自分が愛されるに事足りる存在なのか?と想いを巡らせて、でも想いだけじゃ全部伝わらないもんね、困ったね。(?)

 

5.灯火

こんなに感情ぐちゃぐちゃ(いい意味で)にされることあるんだ!??!!!

 MVに観覧車が出てきたところで普通に泣いちゃった。観覧車が出てきたということはアウトフォーカスと絡めてこの曲を語っていいということですか????ですよね????

 2曲それぞれの「普通が一番の異常だ」「特別な奴らの特権だと思う」という歌詞を見るに、Half time Oldの曲はどこかに「生き方が上手い人への嫉み」があるように思えるんですよ……。でもそんな人ってきっとほんのひと握りで、知らないだけでみんな何かしらの努力をしていて、でもそんな人はきっと努力するのが上手いからね……。生き方が上手く見える人も、分かりやすく下手な人も、あらゆる「苦労」を味わった人に染みるのでこの曲はほぼ全人類に染みます(?)

 アウトフォーカスの観覧車が聖地になったよこともそのひとつだと思うんだけど、この曲は“光”を可視化させてくれる音楽だなあと思います。光を追い求める旅というか、「光」だと思ったものを大切に抱えながら旅路を照らして自分の道を探していくのが“人生”なんだろうか?これから先の人生も自分が光だと思ったものを大事に抱えて生きていきたいし、時々人生を振り返って、かつて“光”だったものたちに背中を押されたりするのもいいかもしれないね。

 

6.トリノフライト

そうきたか~!!!!!

 ツアータイトルが「うまれてこのかた」になったこと、全力で大好きだ……。人生って自力で酸素を吸う前から始まってるんだね……。

 「コウノトリに跨って十月のフライト」でああ!!!!!ってなった。これ、人生における一番の未知と神秘じゃないか??間違いなく自分の人生の一部のはずなのに、データにしか残っていない期間があるって不思議だなあ。人生というひとつの旅の中に、もう既に終わった旅があるんだな、よく考えてみれば……。

 そうだよね、人生って全部未知だよね。これからどうとでもなるよね。胸いっぱいの希望と一緒に生まれてきたんだものね……。人生の始まりであり根底である旅を好きすぎる語彙力で語られると、「うまれてきて良かった」と心の底からしみじみと思った。未知とは無限の希望。

 関係ないんだろうけど、「愛を知る」というワードでふふってなった。愛知県生まれだから……。笑

 

 

 Half time Oldに出会っていなかったら、果たして人生についてここまで考えていただろうか?と思わせられるアルバムでした。人生に正解なんてないから、過去をいい感じに受け入れて良い未来を創っていきたいな!!振り返ればきっと過去の人生は光で彩られているし、今の私にとって光であるものを大事に抱えていたいな。

 ちまちま書いてたらリリースツアーが始まってしまいました。感想はだいたいツアーが始まるより前に書いてるので、ライブの感想はまた改めて整理したいな!!