前略、ドデカ愛の真ん中より

※個人の感想です

モラトリアム彼奏

 思い返せば、好きなことばかりさせてもらいながら22年生きてきた。しかしその22年は、自分の意思で選んだはずの道に悩み苦しみ続けてきた22年でもあった。自分の不器用さ、センスの無さ、周りとのレベルの差に悩み苦しみ、そして「緊張するとすぐお腹が痛くなる」という今の今まで続く苦しみもおまけのようについてまわるようになった。

 それでよかったのか?と、学生時代の経験に疑問符を付けたくなったことは凄まじくたくさんある。好きなことに熱中しすぎていたせいで、当時流行っていた曲はほとんど何も知らない。TVもほとんど見なかったので、知らない間に始まって終わった番組も沢山あるだろう。高校3年間の間に、ONEPIECEの展開は何やら凄いことになっていたような記憶が少しある。

 色々なことを犠牲にした結果、大学に進学して残ったのは、ただの世間知らずな18歳だった。

 

 自分が好きだと思うことを常に人生の中心に据え続けてそれに苦しみ続け、今も尚何かに苦しんでいる。ただ、その苦しみが私の人生の醍醐味だと思っている節があるので、別に今の生活を変える気は今のところない。じゃあ「モラトリアムカレソウ」は私の人生のどこに当てはまるだろう?と考えた結果、先程までつらつらと書き連ねていた私の高校時代だ。

 「生き方は自己採点で答えなど無い」ので、当時の自分を肯定できるのは私しかいない。得意だったかどうかは分からないけど、興味のあることを追いかけ続けた日々は、今思えば素晴らしかった。多分。

 あの頃にしか出来なかったことを追いかけて、流行は何も知らないけど、それに負けないくらい沢山のことを見聞きしたあの頃、今よりもずっとずっと苦しかったけれど、何物にも変え難いくらいの宝物。あの頃の私に、今の私の宝物を贈りたい。

 

 好きなことを仕事にできるのは、「強さ」を持っている人なんだとずっと思っている。私にはその「強さ」は無いと、社会人になった今ひしひしと感じる。「モラトリアムカレソウ」に詰まっているものは「“強さ”に気付かせてくれる起爆剤」なんだと思う。気づいていないだけで、私にも案外何かがあるのかもしれない。

 好きなことを仕事にした人がいるおかげでこの世は希望に溢れているし、そうでない人もきっとその一部になっているのだと思いたい。どんな形であれ、「強さ」を持っている人は強くて美しいのだ。

 

Half time Old - モラトリアムカレソウ