前略、ドデカ愛の真ん中より

※個人の感想です

愛を綴るということ

 過去に、「好きな人へラブレターを書きたい」と言ったら、友人達に止められたことがある。物理的な形に残してしまうと何かの弾みで貴方が恥をかくかもしれないよ、との事だった。当時の状況を考えると友人達の指摘は至極真っ当なものであり、あの場における助言の最適解であったと思うが、バカデカ感情で頭がおかしくなっていた私は率直に(愛を形にすることの何が悪いのだろう?)と不貞腐れていたことを覚えている。

 

 それから数年が経ち、私は好きなコンテンツへの赤裸々な愛をインターネットで全世界に公開する人間になってしまった。今この瞬間、もしかしたら私は恥をかいている可能性だってある。あの時の友人達の助言を全て無にしているようで何か申し訳無いような気もする。

 そんなこんなで、好きなコンテンツへの赤裸々な愛をインターネットで全世界に公開し始めてから1年が経った。ついでに、初めてHalf time Oldのライブ目的で遠征してから1年が経とうとしている。ブログはこの記事が28本目だ。なんの偶然か、ひっくり返したらハーフだ(?)。ライブは昨日が累計25本目だったので、ライブに行った回数より多くブログを上げていることになる。行ったライブの全てを文章にしている訳ではないので、本数だけ見ると私は相変わらずクソデカ感情まみれの人間であるらしい。

 このブログは、あの時書いていたかもしれなかった恋文とは違い、特定の誰かに宛てて書いている訳では無い。想いを形にするのがただただ楽しくて仕方がない人間が生み出した、愛の果ての何かだ。


 きっとこれからも、私は好きなコンテンツへの愛をインターネット上に垂れ流すのだろう。180文字までの小刻みな愛も、数千文字の重い愛も、形にするのが本当に楽しくて仕方がない。形にしないとすぐに忘れてしまうし。

 特定の誰かに宛てている訳では無い、と言ったが、ただ1人このブログを読んで欲しい人がいる。何十年後レベルの遠い未来で、好きなコンテンツが全て入れ替わった私である。面白がるでもいいし恥ずかしがるでもいい。当時の己の未熟さを嘆くでもいい。文章の拙さを笑っても構わない。2020年代前半の私が、この上なく大きくて熱い愛をもらって、そして己の心に湧き上がるたくさんの愛を持て余すくらいに幸せだったことを、ただ感じて欲しいのである。その時まで生きていたいから、どうか、世界がこのまま平和へと向かいますように。


2022.11.24  みやざき (@miya__t__O)


⬇️1年前に書いた初ブログ

六章立ての希望譚『ステレオアーモンド』 - 前略、ドデカ愛の真ん中より

憧憬と懐古と灯火について

2022.11.5(土)大阪JANUS

『身体と心と音楽について』リリースツアー
w / This is Last

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  大阪は面白い街だ。まず、みんな声が大きい。繁華街の道端で声をかけてくる人の声がマジでバカデカい。夜の都会を歩く機会はライブに行く日とたまに友人と名古屋で飲む時くらいしか無いので、必然的に1人で夜の都会を歩くのはライブに行く時のみになる。ライブ前日、せっかく道頓堀に行ったのに人の圧にビビってチェーンのファミレスで夜ご飯を済ませてしまった。Night Walkerを味わう絶好の機会だと踏んで、ホテルに戻るまでの間その曲をずっとリピートしていた。楽しかった。大阪という街は、コンビニで働いている外国人の店員さんも関西弁で喋る。確かにそりゃそうか。

 ライブ後に大阪駅を歩いていたら猛スピードでこちらに歩いてきた年配の男性とけっこうな勢いで肩と腕が衝突した。急いで謝ったけど男性は不自然な勢いで立ち去って行った。斬新な痴漢か?と思ったが、ぶつかられた側の腕で持っていたバッグのファスナーが全開だったことに気づいて肝が冷えるどころかマイナス30度くらいになった。もしかしたら、財布を、盗まれるところだったのか。きっとそうだ。こんな白昼……では無いけれど、明るくて人がいっぱいいるところでそんなことをする人がいるのか。なんか、面白い街だ。

 

 そんなことは置いといて、私がHalf time Oldというバンドを初めて知った日から3年が経った。もしくは経とうとしている。日付は覚えていないけれど、大学の学祭くらいの時期だったのは確かなので今くらいの頃だろう。寒さを感じるようになったくらいの季節にアウトフォーカスのイントロを聴きながらあの頃を思い返すと、途端に懐かしい気持ちになる。眩しいライト。まだ短かった私の髪。ステージの上の憧れ。楽しかったことも悲しかったことも悔しかったことも全部。懐古の間だけ、思い出がHalf time Oldを追い越して私の心に染み渡ってしまう。

 色々な感情に心を支配されがちだけれど、Half time Oldのライブはやっぱりどうしようもなく楽しい。新曲について「楽しすぎる!」とステージ上の本人が口にしてくれたことで、余計に楽しくなっちゃった。ただ音楽に、光に、愛に身を任せられる最高の空間だ。目に直撃したステージライトがもたらす頭痛さえも幸せに変換されてしまう。もしかしたら、いつかこの幸せが思い出を追い越す時が来るのかな。

 「キショいツアー回ってんね~」で普通に爆笑しちゃったんだけど、確かにミニマリストなツアーだね……。もう半分終わっちゃったのが信じられないね。次は高松。私は四国に行くのが初めてなんだけど、色々なところに連れてってくれていつもありがとう。最近は直接話せる機会がこんなにも多いのに、話したいことが多すぎるせいでシンプルな「ありがとう」をまだ伝えられないままでいる。ツアーが終わるまでに言えるといいな。本当に、いつもありがとう。好きだよ、Half time Old。好きだよ、大阪。

魂と咆哮と幸福について

2022.10.22(土)横浜BAYSIS

『身体と心と音楽について』リリースツアー

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 始まりがあるから終わりがある、ということをツアーの初日公演に行くようになってからより強く実感してて、ついにちょこっと寂しさを感じるようになりました。横浜に来るのは中学の修学旅行ぶりで、朝から晩まで年甲斐もなくはしゃいじゃったな!!!!自分の顔くらいでかいチキンを食べました。ついでにお酒もたくさん飲んじゃったよ。楽しかったね。

 就職活動を終えてから初めてのライブで、ありとあらゆる重圧や不安、そして周りへの罪悪感から開放されたような気持ちでいっぱいだった。普段は必ずライブ前に悲鳴をあげる消化器官も、あの日は本当に大人しかった。というか絶好調だった。ああ、私は今までずっと戦ってたんだなあ、と思った。その戦いに、戦ってるんだツアーからずっと寄り添ってくれたハーフの頼もしさを改めて知った。私はどんな感情でこのライブを見るのだろうか、という好奇心も大きくなっていた。

 

 なんだか晴れやかな気持ちだった。遠い輝きに手を伸ばすような感覚だったそれまでと違って、同じ場所で、同じ空間で、とても楽しいことをしている。そんな気分だったような気がする。どこまでも行けそうだった。あと3時間くらいは飛び跳ねれるような気がした。楽しすぎて脚が攣ったりした。

 おそるおそる探るように上がる拳たちが空間ごと愛おしかった。ああ、ここにいるみんなで今この瞬間を分け合って生きているんだなあ。みんなそれぞれ人生があって、見た目も名前も生まれ育った土地も何もかもが違う色んな人達の人生ががひとつの音楽を通じて交わって、ぎゅうぎゅうの空間で音楽に満たされている。少し不思議で、とても尊くて、愛おしい。身体も心も違って、でもみんな音楽が好き。Half time Oldが好き。私も好きだよ、Half time Oldが。

 

 初めて生で聴けた菅沼さんのキーボードだったり、初めて聞いた内田さんのバカデカボイス煽りだったり、大満足のワンマン尺の中でたくさんの幸せをもらっちゃってこのツアーまだ初日なんですか???という感じなんですけど、とりあえず無事に完走できますように!!!ツアー公演もそうじゃないのももれなく楽しみにしてます!!!

身、心、音。

 フルアルバム「身体と心と音楽について」リリースおめでとうございます~!!そしてありがとうございます!!!!告知から2ヶ月間ずっとこのために生きてたと言っても過言ではないくらいの日々で……。その2ヶ月の間普通に色々あって、もうダメだ!って思ったり、人生は最悪!人生は最高!を繰り返したり、そんなこんなで気づいたらアルバムが出ていました。今この瞬間、私の人生にHalf time Oldの音楽が存在していることに感謝。以下は曲ごとの感想です。

 

1.暁光

 これしかないよなあ、1曲目は。2022年のハーフを象徴する曲、っていうのをいつか選ぶとしたら、文句なしでこの曲になると思う。情報解禁を今か今かと待っていたことも、初めて音源を再生した時の気持ちも、初めてライブで聴けた喜びも、大晴さんのピアスが増えたことも、全部が2022年を象徴する大切な思い出だ。

 惑星も恒星も等しく「ほし」って呼ぶところがだいすきだ~~~!!私はシューティングスターがめちゃくちゃ好きなんだけど、その理由に『ハーフが歌う「現実」に、ほんのちょこっとだけ「星」「光」っていうファンタジー寄りのモチーフが混じることによって起きた化学反応を楽しめるから』っていうのがあって、世の中に星モチーフの曲はたくさん存在してて多分どれも好きだけれど、ハーフが歌う「星」は唯一無二の輝きなんだよな。この曲もそう。

 手の届かない存在なことは変わりないけど確かにそこにあって、実際に視界に入れることができて、技術の限りを尽くせば降り立つことだってできる(太陽はさすがに厳しいか)。そんな「星」というモチーフが好きで、そんな「星」を歌う彼らの音から溢れる光が好きだ。Half time Oldの音は、秒速340mで届く光だ。

 

2.STORY TELLER

えっ????ありえんくらい好きですが?????

 歌詞、声に出して読みたいというよりは落ち着いて写経したい。頭の中に余すことなく、それこそ漢字の書き順まで染み込ませたい。「怪物のように付き纏う過去はまだ僕に懐きやしないから」のところの『今まで言語化できなかったモヤモヤの正解を提示された』感すごくて唸る。捨てたいわけでも忘れたいわけでも無いんだよなあ。

 このスピード感で「矍鑠とした」「朴訥とした」ってワード出てくるの情報量多いよ。「我々が著書」なの良いよね。ハーフの歴史ごと「著書」って表現されてるのかもしれないし、もしかしたらこの曲を聴いている人も含めての「我々」なのかもしれない。「僕ら一人一人がドラマだ」と繋がっているような、でも確実に違った味があって好き。

 (なんだ??何が始まるんだ???)みたいなイントロからバチイケつよつよギターになるところ、大好き。「全て相応しくないと~」の変拍子は五拍子⇒三拍子⇒三拍子かな?他のところの拍子数えるのも楽しかった。変拍子は芸術。

 

3.Night Walker

 「ア"、、、、、」ってなりました、曲調から何から何まで好きすぎて。全力でダークサイドを表現するHalf time Old、最高。汚い現実を歌うバンドが歌う夜の都会……良…………。この曲を最大限味わうためだけに夜の池袋を散歩したいな~って思ったけど夜の都会が怖いので誰かついてきてほしいです(?) ところで、曲名をググったら

ナイトウォーカー(Night Walker)は、夜に屋外をうろつき歩きまわる、犯罪者や売春婦などの主に良からぬ者たち、または夜行性動物のことである。(Wikipediaより)

へぇ、、、、

 「箱入り」は「大切にしまってあるもの」っていう意味だと捉えていいのかな?中身が「ネズミ」ってなんだろう……「大切にしまわれていた小さい存在」……?井の中の蛙大海を知らずみたいなこと?「箱舟」は……「方舟」だったらノアのやつか~ってなるんだけど、「箱」にした意味は何かあるのかな。

 イントロのギターの時点で“ヤバ”を確信したのに金管楽器の音が入ってきたところで手叩いて喜ぶレベルのブチ上がりテンションになった。前奏でスタンディングオペーションさせないでください(喜) ベースがずっと良い。2番のAメロ、少数精鋭の骨組みみたいなサウンドにベースが仲間入りしてからギターと意気投合するみたいなところが好きです。あと、暗闇の中で突然金色の目が光ったみたいな始まり方をするギターソロをね……早くライブで聴かせてくれ……。

 

4.ムダトハ

 「無駄な事なんてないよ」が励ましに聞こえない、に初っ端からハッとさせられる。たしかに無駄にしておきたいことだってあるよね。全部忘れたくて2時間くらい散歩するとか、憂鬱を振り切りたくて1人で鳥貴族のカウンター席でベロベロになるまで飲むとか。でも、無駄に見えるようなことでも誰かにとっては無駄じゃなくて、その尺度が人によって違うから世界ってもんはややこしいな。

 「ふと気づいた駅は~」のところの歌い方で胸がキュッてなる。アコギの音色が切なさと優しさを加速......っていう言葉は似合わないな、泣いている時にハンカチを差し出されたような感じがする。(?)

 2022年、思い返せば息が止まりそうなくらいにつらいことばかりだったかもしれないけれど、誰かにとっては「無駄」かもしれない時間とお金の使い道は私にとっては絶対に無駄じゃなかった。Half time Oldと、音楽と共にあった全ての季節が、悲しくて虚しくて愛しくて美しかった。

 

5.もらいもの

からの「頑張れはただの呪いだよ」はずるいよ!!!

 「頑張れ」よりも「頑張ったね」って言われたいなって常日頃から思ってて、でも「頑張れ」って言ってくれる人の何割が「頑張ったね」って言われるような結果が出るまで私のことを見ていてくれるのかな。そんなことを考えてしまう自分のことが、割と嫌いだ。「頑張れ」にはプラスの感情しか入っていないのにね。

 こんなにも言葉巧みにいろいろなことを伝えてくれる人が歌うからこそ、「言葉以外のものを探している  居なくならないように守っている」が最大限にグッとくる。「私は私を心底信用できていないから」のところがあまりにも自分のことすぎて全部見透かされてんのかと思ったし、その後のギターソロが優しくも強くて、頼もしくて、綺麗で、この音に出会えてよかったなあって改めて思った。自分自身のことはまだまだ好きになりきれないけれど、Half time Oldのことを好きになった自分は割と好きかもしれない。そう思わせてくれたHalf time Oldが大好き。

 

6.dB

 イントロのギターで、うわぁ~!!!好き~!!!!ってバカデカ感情に襲われました。助けてください。「最低な世界だずっと」に「せやな!!!!」ってなるし、就活に失敗しまくって理想の自分になれなかったドリーマーと化していた時のことを思い出していた。最低な世界だったよ、面白いくらいにボロボロだったよ、ずっと。

 「言葉が無ければ塔も立たず」はバベルの塔のことかなあ?神様が人間の言語をバラバラにしたっていうあれ。「キリがない欲望と全知全能の神様」はこれに繋がってるのかも。「頑丈な僕ら」が持ち合わせているのが「フラフラな肉体と堅如磐石な心」だけなの良いな。弱っちい肉体なんて魂にくっついたオマケみたいなものなのかも。石の上にも三年って言うし、精神がブレなければ強い人間になれるかな。

 「酒やタバコに頼らずとも魅せろ人生」、仰る通りです.......本当に.......笑

 

7.Come Morning

 サビの「おはよう」のところで、過去に大晴さんのYouTube配信に「飲みすぎて起き上がれないので起きろって言ってください」的なコメントを送ったら想像の10倍くらいの声量の「起きろ~~~~‼️‼️」をいただいちゃったことを、どうしても思い出してしまいます。許してください。

 「照らす日」と「暗い世の中」の対比も、TVという無機物に対して「泣いてんな」って言うところも、初っ端からハーフらしくて良い。「冷やしていたビール」が「起き抜けのplease peace」に繋がっているような流れも好き。明日を迎えるための祈りを「また光が差しますように」って表現するところ、そして朝が来るから「おはよう」を言う、を逆転させて「名前を呼べば朝が来るから」と表現するところで、「他人を気にせずいようよ」も相まって冒頭の「暗い世の中」を打ち消しているような感じがする。

 優しくて心地よくて、ささやくような愛と平和と暗い世の中。些細なことで世界は平和になったりするんだなあ。

 

8.知りたい

 かわいい(かわいい)。「君に会いたい 君を覚えたい」よりも真っ直ぐな愛があるのなら知りたい。記憶のメモリは半分以上君で満たされたいし、試験の点数は82点じゃ足りないんだね。君のことで満点取ったとしてもそれで終わりじゃなくて、いつか君の記憶が半分以上僕で満たされて僕のことで満点とったとしたらほんとに「はんぶんこ」になるね。ニコイチ。かわいい。

 人体の6割は水だから「記憶にメモリがあるのなら 半分以上は君でいい」ってそれくらいのことなんだろうなあ。「永遠も不滅も使い果たしたね」といい、しれっと重くて好き。というか「記憶にメモリがあるのなら」って、データのメモリと定規の目盛り掛けてるの??天才、????

 誰かを愛する第1歩ってやっぱり「知りたい」なんだなあって思った。「知りたい」からSNSをフォローしてみたり、共通の愛を持つ人と友達になってみたり、機会があったら頑張って話しかけてみたり。愛の形って「ファン」「恋」「尊敬」「友情」「慈愛」とか色々あるけれど、やっぱりさあ、知りたいじゃんね、好きな人のこと。

 

9.さすらいラプソディ

 わたしの「青春」と名のつくものが複雑な形で終わろうとしている今年にさすらいラプソディがこの世界に放たれたという事実、超絶ドデカ感謝。ラプソディ、語感可愛いのに漢字で書くと「狂詩曲」なところが好き。かわいくてイカつい。流浪狂詩曲。

狂詩曲(きょうしきょく)またはラプソディ 自由奔放な形式で民族的または叙事的な内容を表現した楽曲。異なる曲調をメドレーのようにつないだり、既成のメロディを引用したりすることが多い。(Wikipediaより)

 ここでも「自由」が出てくるのいいなあ。青春って、自由奔放に繋げた思い出のメドレーみたいなもんだからね。青春の価値みたいなものは本人にしか決められないし、踏み込めない。思い返す度に輝きを増したり美化されたりするけれど、私だけの愛しい狂詩曲だ。ハーフの音楽は、まだ青春の地続きだったりするのかな。まだ〆ていなかったりするのかな。さすらい狂詩曲だから。

 途中のハイパー自由ゾーン(?)みたいなところが大晴さんの「ヘイヘーイ!」で始まって阪西さんの「イェア!」で締められるところがハーフらしくていいなあって思いました。最後のベースソロの音も好き。これも早くライブで聴きたい!諸々どんな感じになるんだろう?

 

10.浮世のハートビート

 「浮世」って仏教用語だと「憂き世」でもあるんだけど、それを名前に冠した曲が「世界はこのまま平和へ向かうだろう」で始まるのあまりにも頼もしくて泣いちゃうな~!って思ったら「未来はこのまま無難には辿り着くだろう」って……もしかしてさっきの歌詞って皮肉でもありましたか……?

 「神様だって嫌われる時代だ」という一種の開き直ったネガティブが2番になると「でもそれは変えられる不安だ」って希望を見出してるのが良すぎる。「宇宙のことと将来のこと」って、宇宙と将来を対等に並べる人はなかなかいないよ。将来は宇宙くらいの可能性があるのかな。地球って何十億年後には膨張した太陽に飲み込まれて無くなるらしいね。どう足掻いてもその時には生きてないけれど、宇宙のことを心配するのはそれくらいのスケールだと思ってる。将来にもそれくらいの可能性があるのかな。

 自分を少しは信じてみて、って先月のライブで気付かされたことを改めて本人の言葉で言われてグッと来ちゃった。私も私のことが好きでは無いけれど、信じることの価値を、意味を、信じてみたい。

 

11.必要なのはなんだっけ

 「君が思うよりずっと 皆僕らに無関心で」って、本当にそう。今日一緒にいた友達が着ていた服だって、だいたい次会う時には忘れている。心配性は抜けないけれど、肩の力を抜いて生きることは大切にしたいなあ。

 必要なものって、なんだろうね。この曲だと「言葉、音楽」って最後に着地しているけれど、その日その時で必要なものって違うんだと思う。今この瞬間に必要なものはなんだろう。ふと思ったんだけど、数年前ミニマリストになって「失ってばかりだけど取り戻す旅に出るよ」と歌った果てがこの曲だったら、なんか良いな。

 「例えばの話」がこんなに膨らんだなあ.......っていう構成が、ちょっぴり幻想的な感じがして好き。例えばの話に夢を見るのも、事実にしてしまうのもそれぞれの自由だから、それぞれの必要なものを大切にして、尊重して生きていたいな。

 

12.雫(Band Arrange Ver.)

 入れちゃえ~!のテンションで収録するもんじゃないよ、これ。半年前、この世はゴミ.......って荒んだ心のまま行った戦ツアーのファイナルで、突然のO.Aに心を洗われたことを今でも鮮明に覚えている。その後色んなステージを経て、「雫」という曲がこのアルバムでの形に「成長」するにはバンドとしての力が必要だったんだなぁ……さすが…………。

 いくら世の中がろくでなしだったとしても新芽に水をやれるのはこの世の中しか無いなら、蔓延るろくでもないことを自分なりにどうにかしてしまうしか無いな。ほっといたら枯れちゃう心にどうにかして水をやるように、なにかを掬いあげたりして生きていきたいな。これからの未来は宇宙くらい余りある可能性があるし、とんでもなく眩しいし、人生って思ったより長いから。多分。

 

 

 ちまちま書いてたらもうツアー初日な訳なんですけど、全然実感無いなあ。明日のライブで最後の一音が鳴り終わった時、私の心には何が残るんだろう。何も想像がつかないけれど、今しか出来ないことを精一杯楽しんできます。みんなまた会場で!!会おうね!!そして生きて帰ろうね!!!!

月面遊泳45分

2022.9.17(土)名古屋CLUB QUATTRO

moon drop対バンツアー 2022

w / Half time Old

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 戦ツアーの名古屋参戦が無念の断念だったので、約1年半ぶりにやっとクアトロに来れました。ここでハーフとライブをしてくれてありがとうmoon drop……特大感謝……。個人的リベンジ編を無事果たすことができました……これにて私の戦ツアーは真の完結を迎えることが出来ました。バンザイ。

 あの時とは随分変わった。私が。会場に行ったら誰かしら知り合いがいて、ライブの後に電車の時間ギリギリまでご飯を食べながらハーフのことを語れる友達がいて、そしてハーフのことをあまり知らないのにライブの感想をLINEで聞いてくれる友達もいる。相変わらずライブ前はお腹が痛いけれど、それを心配してくれる人達もいる。幸せだなあ。あったかいなあ。

 

 1曲目が101じゃなくなってて(期待通りにはいかずとも……)がより心に響くようになりました(?) 県外に出れなかったあの頃と違って私は随分自由に生きてるんだな……と実感しつつ、みんな自由だのギターソロをそろそろ聴きたいなあと思い始めています。(もしかして最近フルでやったけど私が忘れてるだけ?) SHALALAもたくさんセトリに入れてくれてありがとうございました~!!!!手拍子が楽しくて大好きです。ドラマーの血が騒ぎます。

 ハーフの中で1番好きな曲はほたるなんだけど、去年のスプリングツアーに行くことを後押ししたのが「初日の大阪でほたるがセトリ入りしていた」ことだから今回またここでほたるを聴けて本当に嬉しかった。何度もセトリに入れてくれて本当にありがとう……おかげさまで幸せでした…………。

 

 久しぶりのクアトロは記憶よりも広くて、椅子が無くなってて(多分けっこう前から無いよ)やっぱり階段がつらかったし、この日はドリンク代が異常に手汗でびしょびしょになってスタッフさんに心の中で謝ってた。

 少し前までの色々なしがらみとか悩みから吹っ切れて、ふわふわした夢見心地のままあっという間にハーフのステージは終わっていったけど、名残惜しさとかそういうのを超越した何かがあった気がする。心の底から笑って、感動して、先の分からない未来もなんとかなるや~っていい感じに楽観的になれたような気がする。単に気のせいかもしれないけれど、ハーフのおかげで色々なことを頑張れているのは確かだよ。本当に。

 

 「名古屋港が汚い」のくだりで笑っちゃったけれど私はそんな名古屋が好きだよ~!!私の青春が詰まったこの地が、大好きな人たちが生まれ育って今この瞬間も人生を刻んでいる名古屋が、一番好きだよ~!!!!またいつか名古屋のクアトロでワンマンやってくれたならその事実だけで泣いちゃうかもしれないなあって思う。忘れたくない思い出がどんどん増えていくけれど、どれだけ歳をとってどれだけボケたとしてもハーフがくれた幸せは絶対に忘れたくないなあ。

踊る様に、溺れる様に

2022.9.12(火)大阪Live House Pangea

The Floor Tour 2022「One Answer」

The Floor / Half time Old

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 ライブを見ている時、ふと瞼を閉じてみることがある。五感のうちの一つを自ら投げ出す行為に何か意味がある訳では無い。「音に集中できる」「振動を感じやすくなる」くらいのことはあるかもしれない。でも本当に意味は無い。でも、目を閉じる度に頭の中に浮かぶことがある。

 

 これが最期の思い出だったら幸せだろうなあ。

 

 

 ライブハウスに自ら足を運ぶようになってからまだ日が浅い私が言うのも何だが、私はHalf time OldとThe floorのツーマンがこの世のツーマンの中で一番好きだ。どちらも、違う角度からライブハウスで私の心に強烈な何かを残していったバンドだ。この日の大阪に、行かない手は無かった。感想を言おうとすると「楽しかった‼️‼️‼️」に尽きてしまうので、この旅を通じて私の中にある何かがゆっくりと変わっていった話をする。

 

 

 広島でも大阪でもセトリ入りしていた『愛してるよ』という曲は、私がハーフの曲の中でも特にライブ映えする曲だと思っている。初めてイヤホンで聴いた日のことも、初めてライブハウスで聴いた時のことも鮮明に覚えている。ライブ映え力がバケモン級に良い。

 でも、私はこの曲に対して少し拗らせた感情を抱えていた。戦ツアーでこの曲を浴びていくうちに、この曲に込められたバカデカい愛を私なんかの器じゃ受け止めきれないような気がしてきていたのだ。私も音楽が好きだし、それなりに音楽のことを愛している自覚はある。でもこの曲に込められているそれはそんなもんじゃなくて、でもそこから先が上手く言えない。言葉にしたって伝わらないなら何がツイートだ、何がブログだ?私は心の底から音楽を愛せているのか?疑問を感じてしまうような器で愛を綴ってもいいのか?それをありのまま文章にしてしまうような人間でいいのか?

 きっと私はひねくれているんだろう。彼らに向けている感情だけがバカみたいに大きくて、そのくせに彼らのまっすぐな音に、想いに、まっすぐ目を向けきれない。20年と少し生きているうちに、いつの間にか他人のクソデカ感情に身を任せるのが段々怖くなってきていた。

 ここまで書いたことを言葉にしたのはこれが初めてだ。本当に誰にも言ったことが無かった。多分。今までモヤァ~っと心の中にあった何か。今この瞬間、やっと全てを世に出した。

 転機になったのは9/10の広島だ。久しぶりに、あんなに後ろからHalf time Oldのライブを見た。愛してるよがセトリ入りしていた。前にいるThis is LASTのファンの人達が、ステージから溢れるクソデカ感情に拳を掲げていた。目の前が腕と拳で埋め尽くされていた。なんだか久しぶりに見る光景だ。きっと、初めてHalf time Oldのライブを見た時ぶりくらいの景色だ。今目の前にいる人達の大半はこの曲を初めて聴いたのだろう。迷いがちに拳を上げる人もいる。でも、間違いなく目の前にあったのは、音楽を愛している人達が巻き起こした愛情の洪水だった。

 

 そうか。受け止めきれないのなら、いっそのこと身を任せて溺れてしまえばいいんだ。

 

 2日後の大阪。広島とはまた全く違う光景になった私の視界には、ただただまっすぐな愛があった。音があった。歌があった。曲中に目を閉じてみたかどうかはもう覚えていない。でも、そのまっすぐな愛の洪水に身を任せて溺れた。そして、何度も何度も心の中で叫んだ。「愛してるよ」、と。

 溺れたとて死にゃしない。そこから浮き上がれなくなったとしても、Half time Oldならきっと大丈夫だ。自分が心の底から好きになったものをもっと信じろ。きっと大丈夫。私の人生にはHalf time Oldがついている。背中を預けたくらいじゃ、感情の全てを捧げたくらいじゃびくともしないだろ?

 

 そんなこんなで長旅は終わっていった。終わって欲しく無かった。けど、人生もライブもまだまだ続く。まだ肺を満たし続けている愛で、私は生きていける。これが最期の思い出だったらなあ、を繰り返して、愛故に私の存在は続いていくのだ。

累卵の危うきを越えた先

2022.9.10(土)広島CAVE-BE

This is LAST / Half time Old
「アウィナイト」ツアー 2022

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 広島駅まで夜行バスに揺られること9時間40分。終わりの無い旅路に目眩がして途中でホームシックを起こして半泣きになってました。これが安さの代償……。喉カスカスになったし……。この先の遠征もほとんど夜行バスで行く予定だったけど、ここまで長距離になるとちょっと考え直さなきゃなあ……。

 なんて話は置いといて、ライブを見に広島に行きました。勝手に西日本ツーマンツアーって呼んでた今月のライブラッシュ、その2本目。福岡に行った人達から「セトリめっちゃいいよ!!」って聞いて余計にアガったよね、、、。そのおかげで長旅も乗り越えられたよ。ありがとう、Half time Old(?)。

 ネカフェで仮眠をとって色々身支度して、これからお好み焼きを食べに行くというのにネカフェで何故か結構な量のカレーを食べちゃって反省。海外旅行?レベルでドデカいスーツケースをホテルまで引きずって、なんやかんやでお好み焼きも食べて、早めにチェックインできたホテルで死んだように寝ました。

 

 「辛いことがあるから楽しいことがある。いや違う、楽しいことがあるから辛いことがある。いや、それも違う。」(うろ覚え)

 =notequal=前のMCがこんな感じだった。ライブ中に聞いたときはちょっとよく分かんなかったけど(ごめんなさい……)、今改めて咀嚼すると(そうだな……)と思う。自分のせいで辛いことが襲いかかることもあれば、何もしていなくてもつらくなる状況になったりする。楽しいことにも同じことが言えて、意図して楽しいイベントをカレンダーに配置することもあれば、考えもしなかった幸せが舞い降りてくることだってある。「楽しいこと」と「つらいこと」は一つ一つは独立しているはずなのに、人生ってやつがひとつなぎの道なもんだから表裏一体に感じてしまうんだろうな。

 そうやって一つ一つ経験を積み上げた結果である今この瞬間は、決して安定はしていない。明日には全てが崩れ去って何も残らないかもしれないし、今好きでいるコンテンツから離れることだって、いつかの未来では起こりうると思う。握りしめたら潰れてしまうくらいに幸せってやつは脆くて、でもそれがないと私は生きていけない。大好きな音に身を沈めて、まぶしい光の中に固く結んだ拳を漂わせる瞬間が何よりも幸せだと思っている。でも、こんな時代だからその行為には多少の罪悪感と不安を感じてしまうのだ。ステージの上にいる人達、そしてそれを支えて見守る人達はあんなにも頼もしいのに、それに助けられてばかりの私はあまりにも弱くて脆い。

 いつの日か、何もかもを気にしないで彼らのライブを見れる時代が来るのかな。その時私はどんな人生を創り上げて、なにをして生きているのかな。なにを見聞きして、なにを好いて、誰と一緒にいるのかな。頼むから幸せでいてくれよ。

 

 This is LASTのオムライス、いい曲だな~っていうのをこねくり回してタイトルをつけました。なんだかんだで当然のようにいい夜だったな~!!!翌日牡蠣10個食べました。また行きたいね。