前略、ドデカ愛の真ん中より

※個人の感想です

憧憬と懐古と灯火について

2022.11.5(土)大阪JANUS

『身体と心と音楽について』リリースツアー
w / This is Last

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  大阪は面白い街だ。まず、みんな声が大きい。繁華街の道端で声をかけてくる人の声がマジでバカデカい。夜の都会を歩く機会はライブに行く日とたまに友人と名古屋で飲む時くらいしか無いので、必然的に1人で夜の都会を歩くのはライブに行く時のみになる。ライブ前日、せっかく道頓堀に行ったのに人の圧にビビってチェーンのファミレスで夜ご飯を済ませてしまった。Night Walkerを味わう絶好の機会だと踏んで、ホテルに戻るまでの間その曲をずっとリピートしていた。楽しかった。大阪という街は、コンビニで働いている外国人の店員さんも関西弁で喋る。確かにそりゃそうか。

 ライブ後に大阪駅を歩いていたら猛スピードでこちらに歩いてきた年配の男性とけっこうな勢いで肩と腕が衝突した。急いで謝ったけど男性は不自然な勢いで立ち去って行った。斬新な痴漢か?と思ったが、ぶつかられた側の腕で持っていたバッグのファスナーが全開だったことに気づいて肝が冷えるどころかマイナス30度くらいになった。もしかしたら、財布を、盗まれるところだったのか。きっとそうだ。こんな白昼……では無いけれど、明るくて人がいっぱいいるところでそんなことをする人がいるのか。なんか、面白い街だ。

 

 そんなことは置いといて、私がHalf time Oldというバンドを初めて知った日から3年が経った。もしくは経とうとしている。日付は覚えていないけれど、大学の学祭くらいの時期だったのは確かなので今くらいの頃だろう。寒さを感じるようになったくらいの季節にアウトフォーカスのイントロを聴きながらあの頃を思い返すと、途端に懐かしい気持ちになる。眩しいライト。まだ短かった私の髪。ステージの上の憧れ。楽しかったことも悲しかったことも悔しかったことも全部。懐古の間だけ、思い出がHalf time Oldを追い越して私の心に染み渡ってしまう。

 色々な感情に心を支配されがちだけれど、Half time Oldのライブはやっぱりどうしようもなく楽しい。新曲について「楽しすぎる!」とステージ上の本人が口にしてくれたことで、余計に楽しくなっちゃった。ただ音楽に、光に、愛に身を任せられる最高の空間だ。目に直撃したステージライトがもたらす頭痛さえも幸せに変換されてしまう。もしかしたら、いつかこの幸せが思い出を追い越す時が来るのかな。

 「キショいツアー回ってんね~」で普通に爆笑しちゃったんだけど、確かにミニマリストなツアーだね……。もう半分終わっちゃったのが信じられないね。次は高松。私は四国に行くのが初めてなんだけど、色々なところに連れてってくれていつもありがとう。最近は直接話せる機会がこんなにも多いのに、話したいことが多すぎるせいでシンプルな「ありがとう」をまだ伝えられないままでいる。ツアーが終わるまでに言えるといいな。本当に、いつもありがとう。好きだよ、Half time Old。好きだよ、大阪。