前略、ドデカ愛の真ん中より

※個人の感想です

世界はドラマで満ちている

 Half time Oldというバンドを好きな人の中で、アウトフォーカスからHalf time Oldを知った人は何割くらいいるんだろうか。私はその一人である。大学1年生の時、世間のバンドを全くと言っていいほど知らない状態で入部した軽音部で出会ったのが先輩がコピーしていたアウトフォーカスという曲で、そこから知ったのがHalf time Oldという名古屋のロックバンドだった。未だにライブでイントロを聴くと、先輩方がアウトフォーカスをステージで演奏されている姿がほんの少しだけよぎって泣きそうになってしまう。もう戻らない、忘れたくない、綺麗な思い出だ。

 アウトフォーカスとの出会いから2年程経った頃に、Half time Oldのコピーバンドでドラムをやる機会があった。ハーフのコピバンをやるならアウトフォーカスをやらない手は無い。ただ、私は本当に散々なくらいに16ビートが苦手だった。部室まで行く時間が惜しくて、一人でスタジオに通い続けて吐きそうになるくらい16ビートを練習した。スタジオの廊下の壁にはハーフのポスターが2種類貼ってあって、そのポスターを行き帰りに眺めるのがスタジオに行く時の楽しみだった。疲労で腕が動かなくなってひいひい言いながら機材を乗せた台車を引きずって歩いたことも、大好きな曲を上手く叩けないことが情けなくて泣きながら帰ったこともあった。大好きな、大好きで仕方がない曲が己の不甲斐なさのせいで悩みの種になってしまうことが悔しくて仕方がなかった。でも、それを乗り越えた先で見た本番の景色はきっと一生忘れないと思う。ステージライトが暑かったことも、舞台の袖で頑張れって言ってくれた友達のことも、ボーカルが歌詞を飛ばしたことも、最初の曲のテンポが早くなっちゃったことも。

 

 その軽音部もとうとう引退してしまった。Half time Oldとの出会いも、Half time Oldを好きでいた今までの時間も、全部がアウトフォーカスという曲と共にあった。昔友達と遊びに行ってタピオカでお腹を壊したり人生で初めてロールアイスを食べたり突然の大雨に振られたりした大須が、もっと特別な場所になった。2年前、短期バイトの帰り道のバスでMVに出てくる観覧車が窓から見えた。それから時が経って、Half time Oldを通じて出会った友達とその観覧車にアウトフォーカスを流しながら乗った。

 もう好きとか嫌いとかそういう次元では無いのだ。最初の一音から最後の余韻まで、歌詞の一文字、一瞬の間さえも余すことなく私の大学時代の象徴だ。楽しかった日も、悲しいことがあった帰り道も、片想いしてた人に告白して玉砕した日も、いつだってアウトフォーカスがそばにあった。一緒にコピバンをやった友達が楽しかったねって言ってくれたり、後輩がHalf time Oldいいっすね!って言ってくれたのがとっても嬉しかった。別界隈のTwitterアカウントのフォロワーさんにアウトフォーカスを聴いてもらったり、スペースで2時間以上Half time Oldの話をしたこともあった。

 Half time Oldを通じて本当にたくさんの人に出会って、たくさんの人と話した。初めて一人でライブハウスに行って、初めて泊まりの遠征に行って、そして今度はHalf time Oldを通じて出会った友達と一緒にライブを見に行く約束をした。私の大学時代は、現在進行形でアウトフォーカスと、Half time Oldと共にある。それはきっとこれからもそうだ。いつか好きなものが変わってしまっても、アウトフォーカスを聴く度に思い出すんだろう。大学の行き帰りの道、片想いと失恋、歴代のバイト先、たくさんの出会いと別れ、一人で行ったスタジオ、初めて行ったライブ、初めて最前で見たライブ、ライブの後のご飯、友達、先輩、後輩。

 

わたしの青春と共にあったアウトフォーカス、500万回再生おめでとう!!!!

https://youtu.be/3W1JzN1rkWU

 

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